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薮川とうもろこし作り体験会

薮川とうもろこし栽培体験会 主催者より

~ 今後について ~

こんにちは、主催者のハカマダです。

この度は、薮川とうもろこし栽培体験記をご覧いただき誠にありがとうございます。

今回は2023年度の栽培結果をお伝えしながら、今後のお話をさせて頂きます。

 

結論からお伝えしますと、これまで4年間続けてきました栽培体験会を来年は開催しないことに致しました。

理由としまして、異常気象を含む急激な気象変動により計画が立てられないためであります。

これは、今年大量に発生した過熟とうもろこしです。

収穫適正期を逃してしまい、熟しすぎて種になり始めているとうもろこしですね。

また水分不足でもこの状態になるとのことですので、日照りの影響もあると考えられます。

 

これまで薮川でとうもろこしを栽培する場合は、通常平地での栽培期間に1週間足した日数で収穫適正期を見込んでいました。栽培期間が85日のものは92日をめどにしておりましたが、今年は約80日で収穫適正期を迎えてしまうという前代未聞の状況となりました。

薮川とうもろこしは、面積が限られた中山間地域の産業となりえるように、一定以上の価格で売れる品質を目指し栽培しています。初めて購入される方には高いと言われることも少なくありません。

その代わり、今年は品質が疑わしいものは出荷せずに全て破棄しました。

それでも、今年は発送した荷物に外見では判断が出来ない過熟とうもろこしが混入してしまいました。

 

今年、販売に回せなかったとうもろこし、出荷が間に合わなかったとうもろこしは約6000本となりました。

 

今年、外見からは見分けがつかない過熟とうもろこしが混ざったドルチェドリーム13列に見切りをつけました。

値段をつける訳にはいきませんでしたので、農園まで直接お越し頂き自ら収穫してくれる方限定で、お心づけのみ頂きお譲りさせて頂きました。

おかげ様で無駄にならずに済み、大変ありがたく思っております。

 

しかし、価格を上げなければ産業化出来ない現状において、本来はやってはいけないことです。

特産化を目指すのであれば2度と同じことを起こさないようにしなければなりません。

そのためには、これまで以上に収穫時期をずらす仕組みや出荷時期の伸ばす仕組みが必要になります。

今年は8反歩(田んぼ8枚分)まで面積を広げ、産業として成り立つよう取り組みましたが、正直、猛暑でなかったとしても私一人では収穫も出荷も間に合っていなかったと思います。

 

この課題をクリアする方法を考えておりましたが、設備の導入、加工品の開発、生鮮販売の大々的な告知、周知のための告知物の設置等、今以上にお金と手間がかかる上、何より人手が必要であるとの結論に至りました。

この5年間で、質の良いとうもろこしを育てることに少しは自信を持てるようになれたと思います。

ですが、収入にならないということは社会的な価値が無いという意味だと私は思っております。

 

これまでも様々なことに挑戦しながら1年ごとにバージョンアップさせてきましたが、今回ばかりは見通しがつかない状況です。

来年の栽培計画も立っておりません。

 

以上を理由としてご報告させて頂きます。

見通しがつかずご案内が遅れましたこと、ご了承ください。



 

今年もたくさんの方々にご参加頂けまして本当にありがとうございました。

皆様からのお気遣い、ご協力を頂き最高の収穫祭を迎えることが出来たことを心より御礼申し上げます。

 

今、当方のみならず北海道や嶽高原を始め全国のとうもろこし農家が今後のかじ取りについて悩み、決断を迫られています。

このタイミングが良いか悪いかはまだわかりませんが、遅かれ早かれ体制作りに着手しなければ継続は難しかったと思います。

 

私なりに色々頑張ってみます。

帰って来れるように頑張ってみます。

上手くいくように願って頂けると幸いです。

 

4年間、本当にありがとうございました。

 

2023年10月5日

袴田 優樹

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。